ビリギャルよりビリから慶應を通信で卒業しました!-卒業までの勉強法書いていきます-

高校中退から高卒認定試験を受けて、慶應義塾大学の通信教育課程を卒業しました。 卒業まで5年間において自分が得た、経験や知識をブログに示していきたいと思います。

ユダヤ人の教育⑶教育・学習方法の特徴

こんにちは。
今回は、ユダヤ人の教育3回目です。
ユダヤ人の教育・学習方法の特徴について書いていきたいと思います。
前回までは、イスラエルという国の教育制度や環境といったマクロな視点で説明してきました。
今回は、個々のユダヤ人がおこなう教育・学習の特徴、教育に対する考え方といったミクロな視点から記事を書きます。
以下のような5つのポイントを説明していきます。

①五感をすべて使って勉強する
②読み書きを徹底的にやる
③教育を重要視する姿勢
④小さな学びを着実に積み重ねていく
⑤何事にも徹底的に疑問を呈する

前回までと重複する内容があるかも知れませんがご了承ください。

⑶教育・学習方法の特徴

①五感をすべて使って勉強する
・音読によって脳を活性化させる
ユダヤ教の学校であるイエシバ学院では、トーラーやタルムードを学習する時、声に出して勉強します。
生徒たちは、それぞれのペースで読んでいるので、まわりの人の声が耳に入ってきます。それが雑音に聞こえて、気が散ると思いますが、かえって集中できるみたいです。
さらにトーラーなどを音読する際には、指で文字を押さえながら読み、手も使って学習します。

・体を動かしながら学ぶ
イエシバ学院では、勉強をする時、体をゆすりながら学習する習慣があるそうです。
生徒たちが、キツツキのように体を前後に揺らしながら本を読む光景を、イエシバ学院では、見ることができるみたいです。
ユダヤ教では祈りに時にも体をゆすりながら経典を読みます。
身体を動かすと、脳が活性化されるということは脳科学の研究などで実証されています。
このような方法が、ユダヤ人の間では、相当昔からおこなわれていました。
またインプットだけでなく、何かを思い出す時にも体を動かしながらおこなうようです。
アインシュタインも歩きながら相対性理論について考えました。

このようにユダヤ人の学びでは、体の五感をフル活用して、脳を活性化させて学習する習慣が、長い間の伝統になっています。

②読み書きを徹底的にやる
ユダヤの教えでは、子どもに徹底して読み書きを教えると奇跡が起こるという言葉があるそうです。
読み書き、計算をすることは脳を活性化させます。ユダヤ人の親は、幼少期から、読み書きの土台をつくるために本の読み聞かせなどをおこないます。
この読み書きの徹底は、すべてのユダヤ教徒が聖書を読めなければならない、という教えに影響を受けている面もあるみたいです。
ユダヤ教徒は他の宗教に比べて、経典を学ぶことに対する意識が高いです。経典を個人がそれぞれ解釈して、議論することが生活の一部になっています。
そのためには、全員が読み書きできることが必要不可欠でした。

読み書き計算を徹底的にやるというと、日本では詰め込み教育のようなイメージになり、現在は敬遠されがちです。しかし、読み書き計算を徹底的におこなうことで、学びを深める基礎がつくれます。
そのような読み書きの練習で脳を活性化させることは、近年、日本で重要視されている「考える力、生きる力」につながっていくのかなと思いました。
また、読み書き計算の徹底が、ユダヤ教で神によって求められている、生涯学び続けることの土台にもなっていくようです。

③教育を重要視する姿勢
・世界最初の義務教育
ユダヤ人は、世界で最初の義務教育をおこなったといわれています。
2千年前の古代から、ユダヤの世界では義務教育がおこなわれていたようです。
世界的にみると、1642年にドイツで「ゴーダ教育令」という義務教育に近い制度が先駆けとしておこなわれましたが、本格的になったのは19-20世紀になってからです。
そのような歴史を見ると、ユダヤ人は、とても早い時期に、すべての人が学ぶことの重要性を認識していたようです。
ユダヤの格言に「1000年起きなかったことが明日起きるかもしれない」という言葉があるそうです。
ユダヤ人はいつ迫害などにあって自分の財産や自由を奪われるかもしれない状況で生きてきました。
したがって、どのような状況でも生き抜いていくために、奪われることのない教育を重要視しました。
その現れの一つがこの義務教育制度の早期誕生に見てとれます。

・家庭教育を大事にする
ユダヤ教の家庭では、幼少期から音読、暗記の習慣を徹底的に身につけます。
それは生涯にわたり学び続けるための基礎をつくるためです。
世界のトップレベルの教育では、個性にあった教育を個々人に提供します。
このブログでも紹介した、オルタナティブ教育がその例といえます。
ユダヤでは、それが親の仕事であると考えられていて、1対1の家庭教育を重視しています。
また、父親が子どもの鏡になって日頃から学ぶ姿勢を見せることが大事であると考えています。
子どもの落ちこぼれは、父親のせいであるとされています。
ユダヤ人は常に迫害などによる危機的な状況を想定していました。
そのような中を生き抜くため、教育知恵の伝承を大切してきました。そのために、ユダヤ人家庭では、暗記の習慣、幼児教育、家庭教育から子どもの教育の基礎を作るのです。

・好きなことを徹底的に追求する
ユダヤ人の家庭では、子どもが常に、人として幸せでいることを望んでいます。そして、子どものことを徹底的に信頼します。
子どもが将来好きなことを見つけ、幸せな生活を送れるように、いろいろなことをやらせてみます。
勉強、スポーツ、芸術などさまざまなことの中から、自分にあったものを見つけさせ、それに対して徹底的に援助をおこないます。
スティーブン・スピルバーグも、幼少期には、勉強もせずカメラ撮影などに夢中になっていたみたいです。
しかし彼の母親はあえて型にはめようとせず、終始温かく見守り続けたそうです。
アングロサクソン型の伝統的な子育てでは、団体の規律や感情の抑制を幼少期から求められ、ときには体罰も辞さないという考え方です。
日本の教育もその流れをくんでいる所があります。
ユダヤ人の個性を伸ばす教育は、少し違うイメージです。

④小さな学びを着実に積み重ねていく
ユダヤ人には、小さな成果を確実に積み重ねていくといった学習方法が伝統的に身についています。
ユダヤ人はトーラーを学ぶ伝統がありますが、莫大な量のトーラーを覚えるのは1日2日では不可能です。
したがって、続けるという習慣が自然と身についていると考えることができます。
アインシュタインは「私は天才ではない。ただ、ほかの人より一つの事と長く付き合ってきただけだ」と言ったそうです。
どんな分野でも1万時間、そのことに時間を費やせばスペシャリストになれると言われます。
そのような継続の習慣が、ユダヤ人に成功者を多く生んだ理由なのでしょうか。

⑤何事にも徹底的に疑問を呈する
ユダヤ人は執拗になぜを連発します。
どのようなことに対しても納得が行くまでとことん質問をする習慣があるみたいです。
その対象は、些細な生活のことから、伝統的なユダヤの教えなど際限がないようです。
ユダヤの世界では、既存の価値観や制度、親からの教え、経典に書いていることなど、何に対しても質問をして、議論をすることを許されています。
そのような質問をくり返すことが、物事の本質を理解したり、新しい何かを生み出したりしていくような気がします。

最後にまとめたいと思います。
ユダヤ人の間では、既存の価値観や制度などに常に疑問を持ち、それに対して議論することが当たり前と考えています。
そのような考えから、目的を第1、ルールを第2と順序づけして、目的を達成するために、決まり以外のことをするところがあるみたいです。
それが良いのかどうかは分かりませんが、そのような、既存のものを絶対視しないところに、新たなものをつくりだす土壌があるような気がしました。

また、ユダヤ人は、何事にも対しても失敗を恐れずに挑戦するようです。
起業などによって、成功しているユダヤ人が多いように感じますが、イスラエルベンチャーは96%失敗しているみたいです。一人当たり平均3回連続失敗する計算になります。
そのような失敗を恐れずにとりあえず何かアクションを起こすということも、不利な状況から成長していくには必要であると感じました。

イスラエルユダヤ人の教育をみてみると、常に危機感を持った状態が大前提としてあると感じました。
実際に迫害や略奪などを受ける被害にもあってきました。
そのような時に奪われないものが、自分の知識だけだと考え、それを身につける術を重要視してきました。
また、何か新しいものをつくりだす知恵として、何事にも疑問を持ち、そして議論することを続けてきました。
そして議論の際にはもちろんですが、いつでもユーモアを忘れないことを大切にしています。
最も重要なことは、好きなことを見つけること、それを徹底的にやり続けること、学び続けることであり、それが成功へと続いていくようです。

ユダヤ人にとって教育とは、どんな状況でも、幸せに生きるために、好きなことを見つけ学び続ける能力を身につける手助けをすること、であるといえるのではないでしょうか。

(参考文献)
米山伸郎『知立国家 イスラエル
石角完爾『ユダヤ知的創造のルーツ』
ユダヤ人の音読、暗唱の習慣は最強の頭脳を作るトレーニング