ビリギャルよりビリから慶應を通信で卒業しました!-卒業までの勉強法書いていきます-

高校中退から高卒認定試験を受けて、慶應義塾大学の通信教育課程を卒業しました。 卒業まで5年間において自分が得た、経験や知識をブログに示していきたいと思います。

ユダヤ人の教育⑵子どもたちの教育環境

こんにちは。
今回は、ユダヤ人の教育の第2回目です。
イスラエルの子どもたちの教育環境の面を中心に書いていきたいと思います。

前回の記事に書きましたが、イスラエルの教育制度は日本のそれと似ている部分が多いです。

しかし、イスラエルの教育についてさらに調べてみると、子どもが成長していく過程における、社会・家庭の環境や教育に対する価値観、国家として力を入れていることなどに日本との違いや特徴をみることができました。
今回は、そのような点に関して、次のように分けて説明してみたいと思います。

①社会生活・環境
②プログラミング教育
③家庭教育

⑵子どもたちの教育環境

①社会生活・環境
イスラエルでは、子どもたちが成長していく環境に特徴があると感じました。
以下3点例を挙げて説明していきます。

【民族の多様性】
イスラエルでは、常時、海外に暮らすユダヤ人の帰国を受け入れていています。
近年、ロシアやエチオピアから大量の移民を受け入れたそうで、その人たちの文化や言語も入ってきます。また、アラブ人が多く住む地域もあります。
そのような移民が多いエリアでは、日常生活においてロシア語やアラビア語が使われます。
しかし、学校の授業はヘブライ語で行われるので、移民の子どもたちはヘブライ語を学ぶ必要があります。
さらに英語も義務として学びます。
イスラエルの子どもたちは、文化や言語の面において、多様性に富んだ環境で生活することになります。

【兵役】
高校を卒業すると、男子は3年、女子は2年の兵役につきます。
兵役につく時には、試験があるそうです。
エリート部隊、コマンド部隊に従軍するためには、それなりの資質が求められます。
サイバーセキュリティの分野で有名な8200部隊などがエリート部隊に当たります。
イスラエルでは、履歴書に兵役時どのユニットにいたかを書く欄があるそうです。
ここに、エリート部隊に所属していたと書けるのであれば、大学卒業後は一生仕事には困らないようです。
意欲のある若者にとっては、エリート部隊に行くことは目標や誇りになるようです。

入隊試験は日本の受験のように知識を問うものだけではないようです。
体力や精神力などのテストもあり、単にある科目の勉強がよくできるだけでなく、心身ともに評価の対象となるようです。

日本で兵役というと、体力や精神力を鍛えるというイメージですが、イスラエルの兵役の場合は、トップレベルの研究開発機関で勉強するととらえた方が実態に近いみたいです。
高校時代に優秀な成績を収めた人は軍の中で最先端の研究開発に取り組んでいる部門に配属されます。
そこで最新技術を学びながら、新しい分野にも挑戦します。その部署に限らず空軍などでも通常業務としてソフトウエア開発したりします。
また、軍の中の研究開発機関で働いた者は、その成果・技術を持って起業することが奨励されています。
また兵役中の人たちは、軍というイメージとは違い、堅苦しさなどもそれほどなく、業務後にラフな格好で男女が連れ立ってレストランや酒場に繰り出している姿をよく見かけるそうです。

【兵役後の活動】
兵役を終えた後は、旅に出て、大学に進学し、自分の専門分野に磨きをかけ、世界の名だたる企業に入社し、その後に起業するというのがイスラエルの若者の一般的な流れみたいです。
また兵役から離れた後も世界中で同窓会が開かれるので、ユダヤ人同士のネットワークは強くこれが起業時のメンバー集めにも役立っているみたいです。

ほとんどの若者が、兵役を終えると1年間世界旅行をして、その後に大学進学するそうです。
ディアスポラの歴史の中で、ユダヤ人は世界中に離散しています。
どの国を旅しても、彼等を迎え情報提供等で支えてくれるユダヤ人がいるようです。
大学という高等教育機関で専門を学ぶ前に、自らの目で世界の中にある異文化や、さまざまな現実を見ておくというのは、何を学ぶ上でも有益だと考えられます。
イスラエルの子どもたちは、2-3年の実戦的訓練を受けて、1年間世界を見て回ることで、自分が何をしたいのか、何ができるのか、ということを明確にできそうです。
そのような過程を経て大学に進むイスラエルの若者と、高校の延長線上で4年間を過ごす日本の大学生とは違いがありそうです。

新しい発明や発見は、異質な才能のぶつかり合いから生まれると言われます。
日本とイスラエルでは小学校、中学校、高等学校、大学という教育のシステムは同じです。しかし、その過程で子どもたちに多様性を育む環境や経験があるイスラエルには、経済的な成功やイノベーションを起こす要因かもしれません。

豊かなイノベーションを支えるイスラエルの教育とは? - WirelessWire News(ワイヤレスワイヤーニュース)

②プログラミング教育
イスラエルの教育の特徴としてプログラミング教育について説明したいと思います。

日本でも、2020年から小学校で必修になるプログラミング教育に、イスラエルでは、1990年代からすでに国家として力を入れており、多くの成果を生み出しています。

イスラエルには、科学技術幼稚園と呼ばれる物理学やプログラミング言語を教える幼稚園があります。
10歳以下の幼少期を対象にしたハイレベルな教育制度がイスラエルではすでに整っています。
早いうちから基礎的なプログラミング教育を開始し、原理を学ばせます。
その後、ソフトウエア開発やサイバーセキュリティーの教育があり、義務教育を終えます。
義務教育後は、ビジネスサイドに行くのか、プログラムサイドに行くのかを選択するみたいです。

イスラエルの国民は17歳から18歳の間に国家規模で半年間の雇用プロセスを経験します。
10代のうちにマネジメントスキルもしくはエンジニアスキルを有する状態まで能力を高められます。

イスラエルが、幼少期から徹底してプログラム教育に力を入れているのは、国を守る力を国民全体で強くしようという思いがあるからのようです。
イスラエルが最も得意とするジャンルは、サイバーセキュリティーで「防御は最大の攻撃」という認識を持っているようです。
イスラエルは周りを敵国に囲まれ、だからこそ世界中の膨大な情報から、自分たちに攻撃的な人や国の動きを一刻でも早く予測し、防御する必要に迫られています。
サイバーセキュリティーの強さがビッグデータ解析や人工知能における強さを意味するようになっているようで、世界中の大企業がその能力を求めています。
国を守るための環境づくりが、天才を生みだす仕組みにつながっているのでしょうか。
日本でも学校で、プログラミング教育が必須になります。
そのような変革によって、どのように教育が変わってくるのでしょうか。

天才を生み出す「イスラエルパワー」の源泉|榊原健太郎|日経カレッジカフェ | 大学生のためのキャリア支援メディア

③家庭教育
最後に、イスラエル(ユダヤ人)の家庭教育について説明します。

ユダヤ人は歴史的には迫害されてきました。
ユダヤ四千年の歴史の中で、二千年は流浪の民となり、略奪や重税などで財産を奪われていました。
しかし、そのような環境においても、知識だけは奪われないということで、ユダヤ人は伝統的に教育を重視しているといわれます。
そもそも生きることが学びであり、学ぶことは神からの使命と考えているようです。
したがって、ユダヤ人にとって学びとは、何かの目的を達成するためという感覚ではないみたいです。

ユダヤ人は、子どもを宝、親のできる最大の愛は教育であると考えています。
したがって家庭教育にはとても力を注ぎます。
イスラエルは人間を資本とみなし、その力で成長していった国家です。
日本でも明治維新後に教育に力を入れて、近代化を遂げて発展したことをみると、共通点を感じる部分があります。

ユダヤ人の教育は、良い成績をとることが目的ではなく、好きなことを追求できる力を身につけるためにおこなわれます。
ユダヤ人の子どもは、ある程度の年齢になって、成績が悪くても気にとめないらしいですが、好きなことがないというと心配されるらしいです。
そのため、家の中にさまざまなジャンルも本を置いて子どもの興味を引き出したり、また子どもと一緒に頻繁に外出して、いろいろなことに実際に触れさせたりするようです。

もし、子どもが好きなことを見つければ、全肯定してとことんサポートします。
その一つとして、子どもを徹底的に褒めます。
しっかりと理由をつけて褒めます。
例えば「この科目について君は抜群に成績がいいから、〇〇のエキスパートに絶対なれる」のような感じです。
また、悪い成績を取った場合などにもいい所をみつけて褒めるようにします。

イスラエルの子どもは、3歳で聖書読み始め、4、5歳でヘブライ語学校に通い始めます。5歳になるとタルムードを読んでユダヤ教についての学びをはじめます。
(タルムードはユダヤ教でよく用いられる副読書。1つの事案に対してラビAとラビBの異なる解釈が書かれ、それに対してまたラビCとラビDの意見が書かれている、というようにさまざまな意見が並べられた本です)
現在のタルムードは、全70巻、総ページ数は12000ページ、重さにして75キロになるともいわれます。
ユダヤ人は幼少期からタルムードのことを勉強して熟知していきます。しかし、シェークスピアなど、タルムードのこと以外になると一般的な事柄を何も知らない場合もあるみたいです。

男は13歳、女は12歳でユダヤ教の成人式を迎えます。その時には聖書の暗唱などをするほど学びが進んでいるようです。

ユダヤ人の親は、子どもの才能を信じて、好きなことするための徹底的な援助するといった、絶対的な信頼という価値観を持った一方で、批判的なものの見方(クリティカル・シンキング)を重視するという側面もあります。

ユダヤ人は議論好きで家庭内でも喧嘩をするように熱い議論をよく交わすみたいです。
しかし、次の日には何事もなかったように仲良く過ごすみたいです。
常日頃から、何かに対する批判的な精神がそのような議論を生むのだと考えられます。

議論をする上で、重要と考えていることがユーモアです。ユダヤ人は他人の意見を批判する時に、ユーモアを大事にします。反対にユーモアがなければ批判できないと考えています。
議論が生産的なものになるためにもユーモア精神が大事なのでしょう。
また、困難な状況を乗り越えるためにも、そのような笑いを忘れないことが大切だったのだと思います。

ユダヤ人は、長い迫害の歴史の中で積み上げた生活もお金も捨てて逃げざるを得ないことも多かったです。
そんなときでも持ち出せたものが、自分たちの頭脳と、困難を乗り切るユーモアと、好きなものを追求する力だったのでしょうか。
ユダヤ人にとっての教育とは、どんな苦境でも人生が楽しみに満ちたものだということを見つける力を根付かせてあげることなのかもしれません。
【秘話】生きることは学ぶこと。天才を生むユダヤ人の子育て

今回は、イスラエル(ユダヤ人)の子どもの教育環境について中心に書いてきました。
教育制度とは違い、日本との大きな違いがあった気がします。
ユダヤ人にとって教育、学びは死活問題であり、神からの使命であり、楽しみでした。
そのような学びを子どもたちが身につけるために、各家庭において教育に対しての高い意識を持っている気がしました。
教育の方法は、強制のようなものではなく、子どもの自主性を育むものでした。
そのような自主性が、永遠に学び続けるということに導いていくのかなと感じました。

次回は、そのようなユダヤ人の学習方法などについて具体的に書いていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

(参考文献)
米山伸郎『知立国家 イスラエル
アンドリュー・J・サター、ユキコ・サター 『ユダヤ式「天才」教育のレシピ』