ビリギャルよりビリから慶應を通信で卒業しました!-卒業までの勉強法書いていきます-

高校中退から高卒認定試験を受けて、慶應義塾大学の通信教育課程を卒業しました。 卒業まで5年間において自分が得た、経験や知識をブログに示していきたいと思います。

インドの教育⑸教育格差問題

こんにちは。
今回はインドの教育第5回目です。
第2〜4回で紹介したのですが、インドでは教育水準がかなり高い子どもたちが存在し、世界中から注目されています。
そのような子どもがいる反面、字を書くことができないくらいの学習水準にいる子どもたちが存在する事実があります。
今回は、そのようなインドの教育格差について書いていきたいと思います。

【就学率と識字率の現状】
インドでは初等教育の就学率が100%達成されていますが、問題も残っています。
インド工科大学などの優秀な大学が世界から注目を浴びる一方で、国内の公教育や初等教育の質が低いと批判されています。
インドの公立学校では、教員1人当たりの生徒数が多いです。教師の給与は低く、地域によっては教師が敬遠されがちな職業です。そのため、質の高い教師を確保できないといった事情もあるようです。
場所によっては、教員が出勤してこないから、子どもたちが授業を受けることができないということもあるようです。

インドの義務教育を受ける年齢である6〜14歳の人口は、2018年時点で2億100万人を超えます。
就学に関する最新の調査では、2014〜15年度時点での5年生までの就学率は100%に達しています。しかし、それ以降は退学者が多く、日本の高校にあたる上級中等教育の就学率は54.2%です。
また、インドの識字率は2016年時点で75%です。2011年の69%から上昇傾向にありますが、世界平均の80%超には届いていません。

【改善されつつある教育格差】
インドの教育水準は年々上昇しています。教育格差についても解消されつつあるようです。
それは国の政策、そして国際的な援助によるところも大きいようです。
インドでは、独立以来教育水準を上げることを政策課題として取り組んできました。第1次5カ年計画以降、年々識字率は上昇傾向を示しています。
そのような国の政策が効果を表している部分もありますが、世界的な教育支援も大きな力になっているようです。
国際的な教育支援はユネスコを中心におこなわれてきました。教育世界会議や世界教育フォーラムなど国際会議の場面でも「万人のための教育」を目標として掲げ「初等教育の完全普及」と「教育における男女間格差の解消」の2つが重点課題とされてきました。

【就学率の向上が識字率上昇につながる】
教育格差をはかる目安となる成人識字率についてインドでは改善傾向にあります。それは就学率の向上によるところが大きいです。
学校に通学することを当然とする社会環境が整い就学率が100%に近い水準になりました。このことが万人に学習する機会を与え成人識字率の上昇につながっています。

インドで就学率が向上している理由の一つに、多様な学校の存在があります。
都市と農村間、私立と公立、世俗的教育機関と宗教団体における教育機関が併存しており、学校システムは多様です。このような広い受け皿があることは初等教育の就学率の上昇に寄与しているといわれます。

学校の多様性はインドの歴史的な影響があります。イギリス統治時代に西洋由来の近代教育が取り入れられた地域が存在する一方、それが普及しなかった地方も存在しました。
そのような事情から、西洋の教育が普及した地域や現在の中心都市には、独立後すでに大学などの教育機関が設置されていて、学校システムは整っていました。
高度な教育システムが形成された地域が存在している反面,農村部などでは教育普及が遅れている地域も残っています。
また女子教育に関しては、現在も全般的に遅れている部分が多いです。
独立後、教育普及に向け努力が続けられていますが、その国土の広さと文化的多様性、人口規模の大きさゆえに、教育の恩恵を受けることができない社会階層をインドでは、現在も存在させています。

教育格差は都市・農村間のみならず地域による格差もあります。また女性の教育水準の低さが目立つ地域も存在します。
初等教育段階において、特に農村女子で後期初等教育課程における進学率の低さが問題となっています。また、農村男子でも中等教育の進学率は低くなっています。
2009年の調査では,初等教育で居住地域内に小学校がある世帯比率はおよそ60%ですが、後期初等教育課程では30%に満たない状況であるとされています。
通学距離の長さは、女性の家庭外行動を規制する社会規範が依然として強いインドにおいて女子の就学を困難にするという事情につながります。

農村部だけでなく都市部においても教育格差問題は存在します。
都市部の富裕層においては男女ともに大学への進学率は高くなっています。このような状況から高等教育機関は公立・私立を問わず増加しています。
公的雇用を目指しすための高等教育に対する需要が高まり、1990年代から高等教育機関の供給も増加しています。しかし、それがカレッジ間の教育水準の格差という新たな問題を生んでいるという現状もあるようです。

このようにインドでは教育格差を解消する取り組みがおこなわれてきて、それが就学率、識字率といった数値の面では改善されてきました。
しかし、未だに地域間、階層間に大きな教育格差が存在します。

次回はそのような格差解消に向けた現在の取り組みに焦点を当てて記事を書いていきます。

今回も読んでいただきありがとうございました。

(参考文献)
http://libir.josai.ac.jp/il/user_contents/02/G0000284repository/pdf/JOS-09110658-3101.pdf

http://www.aises.nic.in/downloadFlash/PS/Natio%20nal/PS1