ビリギャルよりビリから慶應を通信で卒業しました!-卒業までの勉強法書いていきます-

高校中退から高卒認定試験を受けて、慶應義塾大学の通信教育課程を卒業しました。 卒業まで5年間において自分が得た、経験や知識をブログに示していきたいと思います。

慶應通信の学びにも役立つ書評【田家康『気候で読む日本史』】

こんにちは。
今回は、最近読んで良かったなと思った本を紹介させてもらいます。
田家康著『気候で読む日本史』と言う本なのですが、大学で日本史系を学習しようかなと思っている人にもオススメできます。

この本は、異常気象に起因する寒冷化や干ばつ、それによってもたらされる飢饉、疫病、戦争といったことに対して、古来から日本人がどう立ち向かってきたのかを豊富な逸話とデータで歴史に沿って説明していく内容です。

歴史系の学習では、まず大まかな流れをつかむ事が大事だと思うので、学習の導入に使えると思います。

気候で読む日本史 (日経ビジネス人文庫)

気候で読む日本史 (日経ビジネス人文庫)

【書評・感想】

この本の紹介文を見たときすぐに読むことを決めました。
自分が大学で勉強するきっかけは、ジャレド・ダイヤモンドの「銃・病原菌・鉄」という本だったので「日本版の銃・病原菌・鉄」という本の紹介文をみてテンションが上がりすぐに読み始めました。

読みだした時は、少し重たい感じがしましたが、次第に本の世界に入っていくことができて一気に読みおえました。

異常気象が日本の歴史にもたらした影響、そして、日本人がどのように対処してきたのかという内容が主題になっていますが、読んでいくと、歴史をざっと振り返ることもできます。

具体的な説明の始まりは奈良時代からになります。そこを起点として、歴史的に大きな事件や人物について言及しながら、日本の歴史に関する叙述が続いていきます。

本論では、気候に関する考察と歴史的事件が掛け合わされて説明されています。
例えば、1400年代に京都で土一揆が頻発した時期とシュペーラー極小期は重なっているといった感じです。p193

そのような記述を読むと「あっこんな事件あったな、この人物の名前を久々に聞いたな」といった感じで日本史の流れを大まかに振り返ることができるので「これから大学で日本史を勉強するけど、久しぶりの歴史だ」といった方にもいいかもしれません。

また人文科学、自然科学を織り交ぜ、さまざまな角度から分析をおこなっているので、地学や生物といった分野に興味がある人にも楽しめる本です。
例えば、氷床コアやエルニーニョ現象などの記録を用いた分析などがあるので、興味があればその事について調べながら読んでいくのもオススメです。

「銃、病原菌、鉄」の日本版と言われると少し違うかなと思いましたが、いい本だと思います。
考察については「銃、病原菌、鉄」のようにさまざまな角度からテーマについて分析されています。そのような考察方法の中で印象的な部分をいくつか紹介したいと思います。

・桜の開花時期で、その年の気候を推測する。桜の開花期間を7日として、観桜会の行われた日から開花期間を推定してその年の気候を推測する。p101
・ナイル川の水位からエルニーニョ現象の発生年を割り出し気候を推測する。p121
・皆既日食の状況と火山の噴火の記録を合わせて気候を推測する。p140
・作家の年代記やベネディクト会修道士の日記からデータを抽出して気候を推測する。p143
・イスラエルでは掘られた井戸の深さから、海面水位を推測して気候を考察する。p15

これらは本書の考察方法の一部ですが、人文科学、自然科学を組み合わせて、事象に対する推測の幅を広げていく方法が読んでいて楽しかったです。

本書を読んでいると、人口や文化、政治体制といった部分での人類の発展、又は後退には、気候などの自然的な要因が大きく影響していると感じました。
そして、そのような気候、自然に対して人間が対抗することなどできるのかなと思いました。

人間は、文明の発展によって、地球に関するさまざまなことを知ることができるようになりました。
しかし、知ることによって、それをコントロールできると勘違いするようになってきたのではないかと思います。

現代の人からみれば、古代の人が祈祷によって雨乞いしていることを非科学的と感じることもあります。
しかし、未来の人から見れば、地球温暖化を自分たちのせいだと思い、その対策としてエコバッグを使っていることなども同じようにみえるのかなと思いました。

最後のエピローグで、地球の気候というものを人為的に操作しようということが厳しいのではないかと著者は示唆しています。
温暖による干ばつ、低音による冷害などが日本では事実として、歴史的に繰り返されてきました。そのような実害に対してどのように対応していくかということが、時代ごとに問題となっていました。

そして対応とは、異常気象下で食料をいかに確保するかといったことでした。それは人類にとって永遠のテーマです。
地球の気候変動を予測して、それをコントロールしようとする試みも必要だと思いますが、異常気象があるという前提で、どう自然とつき合うかという方向での考えの方が大切だと思いました。

勉強を抜きにしても、普通に面白い本なので、ぜひ一度読んでみてください。

出版社の書籍紹介を載せておきます。

【出版社による書籍紹介】

われわれの先祖はいかにして立ち向かったのか?
異常気象との攻防1400年!
様々なエピソードを詳細なデータに基づき分析する。

「銃 病原菌 鉄」の日本史版!
本書は、われわれ日本人の祖先が気候変動に対しどのように立ち向かってきたかについて、歴史の流れに沿って記したもの。気候変動に起因する災難等への各時代の人々の行った対応策に力点を置いています。

日本人は自然災害に対して受け身であり過去の経験を活かす意欲に欠けるといわれることがありますが、そんなことは決してありません。われわれの祖先も現実を直視し、苦悩する中で何とか打開策を見出そうと模索し、予防策を真剣に考え行動を起こしてきました。その歴史を振り返り、今も頻発する異常気象、災害にどう対処すべきかを学べる1冊です。

律令制を崩壊させた干ばつ、戦国大名たちを動かした飢饉、江戸幕府による窮民政策――。日本の歴史を動かしてきた、気候との1400年に及ぶ闘いを描いて好評を博した異色作を文庫化しました。

気象災害が毎年のように日本列島を襲っています。こうした現象は今にはじまったわけではなく、むしろ日本の歴史は異常気象との攻防の歴史であったともいえます。

寒冷化や干ばつといった異常気象や気候変動に起因する飢饉、戦争といった災難に、時の為政者、庶民は試行錯誤しながら対応してきました。

本書は、歴史と気候を結びつける豊富なエピソードと、それを裏付ける緻密なデータを元に解説する文明史です。そこには、現代を生きる我々にとってもきわめて有意義な叡智が散りばめられています。

自然科学と人文科学の領域をまたがり、さらには異なる歴史区分について記述する場合、細分化された研究分野を攻めてきた大学研究者では時代を越境した記述を大胆に行うことはなかなかできません。本書には、在野の研究者ならではのユニークさがあります。


【目次】
プロローグ 太陽活動と火山噴火がもたらす気候変動

第Ⅰ章 平城京の光と影

第Ⅱ章 異常気象に立ち向かった鎌倉幕府

第Ⅲ章 「1300年イベント」という転換期

第Ⅳ章 戦場で「出稼ぎ」した足軽たち

第Ⅴ章 江戸幕府の窮民政策とその限界

エピローグ

【著者】
田家 康(たんげ やすし)

気象予報士、日本気象予報士会東京支部長
1959年神奈川県生まれ。81年横浜国立大学経済学部卒。
著書に、『気候で読む日本史』『世界史を変えた異常気象』『異常気象が変えた人類の歴史』『異常気象で読み解く現代史』がある。

定価:本体800円+税
発売日:2019年01月09日
ISBN:978-4-532-19884-8
並製/A6判/344ページ

気候で読む日本史 | 日本経済新聞出版社

気候で読む日本史 (日経ビジネス人文庫)

気候で読む日本史 (日経ビジネス人文庫)

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
また何か、面白い本があれば紹介したいと思います。